独り酒

独り酒
　二日酔いでの誕生日
　　その虚しさでまた独り酒

夢のような風景

春霞　大河に浮かぶ船二艘
　その対岸で婆が手招き

いったい僕はどれくらいの寂しさを背負えばいいのだろう？

桜散る　
　散る花すらも　無い僕は
　　風に吹かれて　立ちつくすのみ

桜の鮮やかさの影にひっそりと咲く木蓮の花が好きでした

　木蓮の紫色の夕暮れの
　　香りは涙を誘う記憶

春ってさ、思っているより実は寒いよね

　春雨に濡れていくには寒すぎて
　　傘より君の温もりが欲しい
　　

昨日は４月１日

　三十路過ぎ　今日も独りの夜が過ぎ
　この事実こそ　嘘ならいいのに

春が出会いの季節って誰が決めたんだ！？

「春なのに　デートもしないの　？」
　ラジオから　流れる曲に　一人いらだち
　

春は別れの季節、そして旅立ちの季節

僕たちは何度も何度も手を振った
　懐疑と不安をかき消すように

何でもない幸せってホントにあるのでしょうか

彼岸入り　積もる間もなく消えていく
　雪の欠片と　僕の幸福

第２ボタンくださいなんて言われたことないよ

雪残る　路上の片隅　落ちている
　学生ボタンに　見栄を嗅ぎ取る

残酷なまでに時間は平等に流れていくのだ

緩やかに落下していく雪片の
　加速度ほどの僕の絶望

古傷ほど、なかなか完治しないようでして

アルコールで病んだ心を消毒す　
　傷口はいつ癒えるのだろうか

電車の中というのは、一つの人生の縮図なのかもしれない

こめかみをおさえる少女の瞳には
　漫画ゴラクの表紙が映る

いや、まぁなんとなく言いたい気分は分かるけどさ

荒川の金と　谷の金とでは
質が違うと熱弁する友

”ありがとう”と言うのでなく”ありがとう”になりたいと思う

”ありがとう”
　そんな言葉で
　言い切れるほど軽くない
　君への想いは

引きこもりにとっては、あまり天気は関係ないです

背伸びする　小春日和の蒼の下
　ブラインドに閉ざされた部屋

別にこの時期に限らずチョコをつまみにするのは自殺行為だと思う

　義理チョコを”つまみ”にしての独り酒
　余りに切ない二日酔いなり

冬のオペラグラスで夜の街をのぞけば

夜の街　オペラグラスでのぞいたら
白く、くねくね　あばばばばばば

犠牲者は”バレンタイン”の方が多いと思うよ

”バレンタイン””ヴァン・アレン帯”どちらかが
人類にとって有害なのか

「チョコレート革命」ってこういう話ですよね、たしか

「チョコがダメならケーキでももらえばいい」
　革命を決心させた一言